芳根京子【すっぴんトーク】

人類の永遠の夢である“若い身体のまま”生き続けられる世界がもしあったら……?
難関の役どころを演じて、女優として人間として、新たな気持ちを持ったという芳根京子さんに、映画『Arc アーク』の魅力を語っていただきました!

芳根京子

“愛にあふれる”撮影現場だからプレッシャーを乗り越えられた

“プラスティネーション”と呼ばれる施術により、故人を在りし日の姿のまま永遠に保存する“ボディワークス”。その技術を発展させたストップエイジングにより、30歳で不老不死になった、リナ。芳根京子さんはリナの、なんと17歳から100歳以上までを演じている。

最初に脚本を読んだとき、純粋に〝すごくおもしろいな〞って。これを石川慶監督が映像化するということに、本当にワクワクしました。でも脚本を読めば読むほど、リナを演じるには今の自分の実力では足りない気がしてきて、そのことを素直に監督にお伝えしたんです。そのお返事をお手紙でいただいて、その後ゆっくりお話しさせていただきました。『撮影が辛くなったら辛いと言ってくれてもいい。そして僕が思う一番のキャストに声をかけているので、みんなで芳根さんを支えます』と言ってくださって。ここまで言っていただいたのはこの上ない幸せでしたし、挑戦しないという選択肢はないですよね。『こんな私でよければ』と、飛び込ませていただきました。

リナの夫であり、天才科学者の天音役を岡田将生、その姉で“ボディワークス”の第一人者、エマ役に寺島しのぶ、他にも倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫といった錚々たるベテランメンバーたちが脇を固めている。

ご一緒させていただいたのが、すごい方々ばかりで、プレッシャーでした。でも、アットホームで合宿みたいな撮影現場で楽しかった。本当に〝愛ある〞現場でした。しのぶさんはいつも私の体調を気遣ってくださって、撮影中に迎えた誕生日にはマッサージ器をいただいて。本当にみなさんに支えていただきました。

年をとることにポジティブ年齢を重ねた自分も楽しみ

芳根京子

「“永遠の命”を、芳根さんは欲しいと思う?」と聞くと……。

リナのように体が一番動くであろう30代で時を止めるというのは魅力的ですね。でも、私は年をとることにポジティブなんです。年をとった自分も楽しみ(笑)。最近母が祖父に似てきているんですが、私は誰に似てくるんだろう?とか(笑)。

観終わったあと、ジワジワと心に染みるものがある『Arc アーク』。芳根さんと同世代である、『upPLUS』読者にこの作品で何を感じて欲しい?

決して軽々しく言葉に出すことではないと思いますが、私も今回リナを演じてみて、〝生と死〞について考えました。今まで生きることと死ぬことは、1本の線上の対局だと思っていたんです。でも、〝Arc=円弧〞のように隣同士なのかも、と思うようになりましたね。これから生きて行く上で、いろんな別れがある。でもその受け止め方が漠然と変わるような気がしています。生き続けるのか、自然の寿命を待つか、私も今まで考えたことのない感覚になりました。観ていただいたみなさんにも、新しい角度の発見が何か芽生たとしたらうれしく思います。

※本記事はアッププラス2021年7月号より一部抜粋して掲載しています

よしねきょうこ
1997年2月28日生まれ、東京都出身。
2013年ドラマ『ラスト♡シンデレラ』で女優デビュー。近年の出演作に映画『ファーストラヴ』『今日も嫌がらせ弁当』など。近日公開『峠 最後のサムライ』も控えている。
芳根京子
『Arc アーク』
6/25より、全国にて公開
【監督】石川慶
【出演】芳根京子、寺島しのぶ、岡田将生、 清水くるみ、井之脇海、中川翼、中村ゆり、 倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫
©2021映画『Arc』製作委員会
遺体を生前の姿のまま保存できるように施術する“ボディワークス”。この仕事に就いたことがきっかけで、リナ(芳根京子)は30歳で人類史上初となる、永遠の命を手に入れる。やがて世界は不老不死があたり前になるが……。
ケン・リュウの短編小説を『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督が映画化した近未来ドラマ。

《衣装協力リスト》SHIROMA(03-6411-4779)、PLUIE TOKYO(03-6450-5777))

撮影/屋山和樹(BIEI)
スタイリング/藤本大輔(tas)  ヘア&メイク/尾曲いずみ 取材・文/山西裕美(ヒストリアル)

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