吉岡里帆&水上恒司【Movie】 Interview

かつて香港に存在した魅惑的な街“九龍城砦”を舞台にした連載中の人気コミック『九龍ジェネリックロマンス』の映画化に抜擢され、W主演となった吉岡里帆さんと水上恒司さん。
「この2人でしかあり得なかった」と周囲に言わしめた、その熱演が生まれた背景をお聞きしました!

吉岡里帆
1993年1月15日生まれ、京都府出身。
2013年俳優デビュー。
出演映画『正体』(24年)では、第48回日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞を受賞。
2025年は映画『THE オリバーな犬、(Gosh!!) このヤロウ MOVIE』(9月26日)の公開、2026年はNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の出演を控える。

水上恒司
1999年5月12日生まれ、福岡県出身。
2018年俳優デビュー。
近年の出演作はドラマ『怪物』(24年)、映画『本心』(24年)、『八犬伝』(24年)など。
2025年は『火喰鳥を、喰う』(10月3日予定)、『WIND BREAKER / ウィンドブレイカー』(12月予定)の2つの主演映画の公開を控えている。

台湾の暑さはセクシーなムードを作りやすかった

『週刊ヤングジャンプ』で連載中の眉月じゅんの大人気コミック『九龍ジェネリックロマンス』がTVアニメ化に続き、実写映画化。
「役に惚れ込んだ」という、吉岡里帆さん、水上恒司さんのW主演となる。

吉岡
「鯨井令子と〝鯨井B〞(写真に写っていた工藤のかつての婚約者)の両方を演じなくてならないということ、九龍城砦という何故だか懐かしい雰囲気の架空の場所を舞台にSFとミステリー、恋愛が絶妙な塩梅で混ざっているストーリーに惹かれました」

水上
「工藤発はお金持ちでもないし清潔感があるわけでもないし、そんなに〝モテるタイプ〞ではない男。
でも令子も惹かれていくし、僕も魅力を感じました」

可愛らしさと妖艶さを演じ分けられる演技力を持つ俳優として、プロデューサーに「この人しかいない」と言わしめた吉岡さんと、令子の先輩にも後輩にもなれて無骨な雰囲気を持つ人物として、白羽の矢が立った水上さん。

吉岡
「監督に令子は『赤ちゃんみたいに〝全部が初めて〞と感じられるような人物にして欲しい』とオーダーがあったので、そこはとても大事にしていました」

水上
「撮影当時僕は25歳で、工藤の年齢である34歳は、自分が今まで演じた年齢では最年長。
しかも生活臭がする34歳で『どう演じたらいいんだろう』と思いましたが、そんな僕に期待を寄せてくださったのが、まずうれしかったですね。
〝やったことのない役は挑戦しなくてはどうする!?〞という気持ちも大きかったです」

舞台となる、かつて香港に存在した九龍城砦を再現するため、今なお狭く雑多な路地裏など古い街並みを残す真夏の台湾でロケが行われた本作。
暑さは半端なかったよう。

吉岡
「原作の令子はとても色っぽいので、その雰囲気が出したいなと思っていたんです。
台湾の暑さって、サラッとしていなくて、しっとりとしているんですよ。
常に汗ばむ感じと、狭い場所で近い距離での撮影が多かったので、セクシーなムードが作りやすかったように思います」

水上
「工藤と令子が2人でベッドにもぐるシーンは、本当に暑かった。
シーツをはぐって『暑っ!』って叫んだのはアドリブです(笑)」

カメラが回っていないときも役の雰囲気を背負っていた

取材中も和やかな雰囲気だった2人は、今回が初共演。
それぞれの最初の印象、そしてそれはどう変わっていったか聞くと……。

吉岡
「爽やかで感じがよくて、真っ直ぐで熱い感じの人だなだと。
実際その印象通りだったんですが、真っ直ぐさは想像の10倍、熱さはその100倍でした(笑)」

水上
「台本読みで初めて吉岡さんにお会いしたんですが、『私恥ずかしいと顔が真っ赤になるんです』と話されて。
実際本当に赤くなっているのを見て、僕も赤面する性質なんで共感できました。
年下の俳優にちゃんと言ってくれるのがすごいなと。
普通は隠して、カッコつけたくなるじゃないですか」

吉岡
「いや、隠せるものなら隠したかったんだけどね(笑)」

水上
「これがあって僕も苦手なことを、素直に相手に言えるきっかけになりました」

お互いの演技に影響される部分もあったのだとか。

吉岡
「水上くんはカメラが回っていないところでも、ずっと〝工藤〞風味を背負っているように私には見えたんです。
共演するなら私もそういうアプローチにすべきかなと思って。
撮影以外で街を歩いているときも『令子ならどれを選ぶかな』と考えていました」

水上
「ずっと工藤でいられたのは、吉岡さんが令子だったからでもあります。
僕もずっと令子に見えていましたね」

最後に『アッププラス』読者に注目してほしいところを聞くと。

水上
「ダメだけど魅力的でもある工藤を見て、恋愛力を高めていただければ(笑)」

吉岡
「令子と鯨井Bでは、メイクを変えているんです。
工藤の年上の婚約者だった鯨井Bはまつ毛もアイラインも黒で濃いめ、リップも濃いめでダークなカラー。
一方の令子はマスカラは茶系でリップも淡いピンクでナチュラル。
同じシーンで2人が出てくるときはメイク直しが大変でした。
メイクが役柄になりきる後押しをしてくれたので、ぜひ注目いただければと思います」

映画『九龍ジェネリックロマンス』

©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

過去と現在が交錯するミステリー・ラブロマンス
懐かしさあふれる街・九龍城砦の不動産会社で働く鯨井令子(吉岡里帆)は先輩社員の工藤発(水上恒司)に恋をしていた。
ある日、令子は金魚茶館の店員タオ・グエン(栁俊太郎)に工藤の恋人と間違えられる。
そして偶然見つけた1枚の写真には、工藤と自分と同じ姿をした女性が写っていて……。

8月29日より、全国にて公開
【原作】『九龍ジェネリックロマンス』眉月じゅん(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
【監督】池田千尋
【出演】吉岡里帆、水上恒司、竜星涼、栁俊太郎、梅澤美波(乃木坂46)、曾少宗(フィガロ・ツェン)、花瀬琴音、諏訪太朗、三島ゆたか、サヘル・ローズ、/関口メンディー、山中崇、嶋田久作

※本記事はアッププラス2025年9月号より一部抜粋して掲載しています

ニットポロ ¥35,200(メゾン エ ヴォヤージュ/メゾン エ ヴォヤージュ麻布台ヒルズ店 03-5797-8515)パンツ ¥50,600(サスクワァッチファブリックス/ドワグラフ http://www.sasquatchfabrix.com)その他はスタイリスト私物

撮影/屋山和樹
スタイリング/後藤仁子(吉岡さん)、藤長祥平(水上さん)
ヘア&メイク/AYA(TRIVAL)(吉岡さん)、Rei Takamatsu(水上さん)
取材・文/山西裕美(ヒストリアル)

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