さまざまな原因によって肌の美を損なうニキビ。
実は、毛穴を毎日チェックして事前に防ぐケアがあるんです。それが“こめど(角栓)圧出法”。
アッププラス2021年9月号では、“魔のニキビスパイラル”から抜け出す方法をご紹介します。
詰まってしまった汚れや皮脂=コメドを押し出すケアが、ニキビの悪化を防いで毛穴を目立たなくするためのもっとも大切な方法です。
渋谷スキンクリニック 院長 吉田貴子先生
ニキビの経緯
押し出しOK!
通称“隠れニキビ”。毛穴が閉塞して皮脂が詰まり始めている状態。触れるとザラつきを感じることも。
さらに皮脂が溜まり、毛穴が広がった状態。まだ炎症は起こしていないがアクネ菌が増える好都合な環境。
白ニキビの表面が酸化して黒くなった状態。放置するとさらに毛穴が広がるため、この段階までは圧出すべき。
押し出しNG!
アクネ菌の増殖で炎症が起きた状態。皮膚は赤く盛り上がり、多くは痛みを伴う。医師の診断が必要な段階。
赤ニキビが更に悪化し、膿をもつ激しい炎症状態。毛穴が壊れて膿の袋ができることも。即刻皮膚科へ。
コメドはニキビの初期段階! 閉塞した毛穴の中に皮脂が詰まってコメドができます。
それを放置していると毛穴の中でアクネ菌が増殖し、炎症ニキビになってしまうことも。
つまり、コメドの段階でしっかりケアができていれば、ニキビを予防できるということ。
毎日のスキンケアとコメドの押し出しが悪化を防ぐ重要な方法なのです。
重症化する前に押し出す方法を教えます!
押し出し
TOOL 意外と身近なものでも代用できる!
皮膚科やドラッグストア、100円ショップなどで見つかります。形がそれぞれ違うので、使いやすいものを見つけてみて。
曲げられたお尻の部分が鋭角過ぎないものがベスト。ギザギザしたタイプはつまんだ際に指が滑りにくく使いやすい。
その他必要なもの
・エタノールなどの消毒液
・コットン、綿棒
・拡大鏡
・タオル
下準備 実践前に必要なのは消毒と観察!
- 器具の消毒
エタノールなど消毒液をコットンに含ませ、プッシャーもしくはヘアピンを消毒。細かい部分は綿棒を使って。 - 毛穴を開かせる
水に濡らして絞ったタオルをラップに包み、レンジで約1分温める。適度に冷ましたらタオルを肌に当てる。 - 手を洗う
毛穴の押し出しをする前に、指先や爪の中まで石けんでよく手を洗う。毛穴に雑菌を入れないための必須準備。 - 毛穴の観察
拡大鏡に肌を映し、見逃しがちな小鼻の細かい部分やフェイスラインも人差し指で軽く押さえながらチェック。
いざ、実践!
step1
プッシャー(ヘアピン)を人差し指と親指でもつコメドの詰まった毛穴を確認したら、プッシャー(ヘアピン)を利き手の人差し指と親指でペンを握るようにしっかり挟んでもつ。
step2
コメドが見える毛穴のすぐ上にプッシャー(ヘアピン)のヘリを当てる
利き手ではない方で、肌が動かないよう押さえる。コメドの詰まった毛穴のすぐ上にプッシャーのカップ(ヘアピンのお尻)のヘリを当てる。
step3
コメドが出るまで少し強めに押す
プッシャー(ヘアピン)と指、毛穴を挟み込むようにして少し強めに押す。この時、出てくるコメドをすくい上げるイメージで動かす。
step4
洗顔
コメドを出したらぬるま湯で洗顔を。洗顔ができない場合はエタノールなどを含ませたコットンで拭き取って。プッシャー(ヘアピン)も消毒しておく。
注意!
痛かったり、血が出たりしたらすぐにやめること。
肌を傷つけるほど強く押さないよう、力加減を考えて。
3回強く押してコメドが出なかったら翌日以降に再チャレンジ。
セルフケアでもコツをつかめばブツブツ・凸凹していた毛穴がこんなにキレイになります!
※クリニックでの圧出直後の状態。赤みは通常翌日までに治まります。
毛穴の種類
皮脂腺から分泌される皮脂と古い角質や汚れが混ざってコメドとなり、毛穴に詰まった状態。色は白や薄黄色、ベージュ。面ぽう(コメド)治療薬やピーリングも有効。
詰まり毛穴の入り口の皮脂が酸化し、黒く見えるもの。うぶ毛が数本混ざっている場合も。詰まり毛穴よりもコメドが硬いことが多いので、強く押し出す必要がある。
長年の詰まり毛穴を放置した結果で、さらに放置すると赤ら顔になる傾向が。乾燥も原因となるため、ビタミンCなど毛穴を小さくする効果のある美容液や保湿ケアが必須。
肌弾力の衰えにより毛穴が下垂し、しずく形に広がった状態。多くは開き毛穴が変形したもの。開きとたるみを改善するために、いくつかの治療を組み合わせる必要が。
撮影/相沢千冬 構成・文/長江裕子