今月のオススメ舞台
秋は出演陣、制作陣ともに実力派で固められた舞台が続々上演。売り切れ必至、話題の2作品をチョイス。
三島由紀夫の絶筆大河小説が舞台化
日本文学の金字塔、三島由紀夫が1970年11 月、自決するまで時間を費やした、全四作からなる長編小説『豊饒の海』を舞台化。
20歳で生命を落とした男・松枝清顕と、彼の影に取りつかれた男・本多繁邦を描く。
今注目を集め作家、長田育恵が大胆な脚本に仕上げ、英国のマックス・ウェブスターが3年ぶりに日本で演出、主人公・松枝を東出昌大が演じる。宮沢氷魚も出演
『豊饒の海』
1/3~5、プレビュー公演、11/7~12/2、本公演を、紀伊国屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて開催
http://www.parco-play.com
KERA・MAP、8作目は修道女たちの群像劇
結成25周年を迎えた、劇団「ナイロン100℃」を主宰する、ケラリー
ノ・サンドロヴィッチ(KERA)のもうひとつの演劇活動の場、KERA・MAP の新作公演。女性の心理を巧みに描くことに定評のあるKERAが今回描くのは、修道女たちの群像劇。キャストには演劇界で活躍する、鈴木 杏、緒川たまき、高橋ひとみといった層の厚い女優陣、彼女たちに対峠する鈴木浩介、みのすけといった実力派俳優を迎える。
『修道女たち』
10/20~11/15、下北沢 本多劇場
11/23~24、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
12/1~2、北九州芸術劇場 中劇場
http://www.cubeinc.co.jp/
今月のオススメアート&注目イベント
芸術の秋にふさわしい、大規模な展覧会が続々スタート! 名品から“美” を感じて!
約60年の画業を振り返る100%ムンク作品の大回顧展
世界で最もよく知られる名画のひとつ、《叫び》を描いた、ノルウェーの画家ムンク。故郷のオスロ市立ムンク美術館が誇る珠玉のコレクションを中心に、約60点の油彩画、版画などを加えた約100点で構成。
ムンク展—共鳴する魂の叫び
10/27~2019年1/ 20まで、東京都美術館にて開催
https://munch2018.jp
国民的風景画家の代表作を網羅
戦後を代表する国民的日本画家として名高い、東山魁夷の東京では約10 年ぶりとなる大規模な回顧展。本展では代表作である《残照》や《道》《緑響く》、代表的な風景画、制作に10 年を要した大作「唐招提寺御影堂障壁画」などで、その画業を辿る。
生誕110年 東山魁夷展
10/24 ~ 12/3 まで、国立新美術館 企画展示室2Eにて開催
http://kaii2018.exhn.jp/
約90点で構成するルオー芸術の集大成
20世紀フランスを代表する画家ジョルジュ・ルオーの、没後60年を記念する特別展。敬虔なキリスト教徒で、生涯に渡り「受難」や「キリスト像」などの宗教主題を数多く描いた彼の、聖なる芸術に焦点をあてる。
開館15周年 特別展 ジョルジュ・ルオー聖なる芸術とモデルニテ
9/29 ~ 12/9、パナソニック汐留ミュージアムにて開催
http://panasonic.co.jp/es/museum
アヴァンギャルド・アートがアジア各地から集結
現代アートの黎明期である、1960年代から1990年代に焦点をあてる展覧会。10を超えるアジアの国と地域から、激動の時代に生まれた挑戦的かつ実験的な約140点の作品を集め、その共通点と違いを探る。
アジアにめざめたら:アートが変わる、世界が変わる 1960-1990年代
10/10 ~ 12/ 24、東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー
http://www.momat.go.jp
会場全体を作品世界で構成体感できる展覧会
不思議の国「わちふぃーるど」に住む、大きくミステリアスな目が印象的な猫ダヤン。小説や絵本、アニメ―ションなどで展開し今年で35 周年を迎える、ダヤンの新作を含む原画約140点やジオラマ、人形劇が展示される。
猫のダヤン35周年 ダヤンと不思議な劇場 池田あきこ原画展
10/17 ~ 24 まで、松屋銀座8階イベントスクエアにて開催
http://www.nekono-dayan.com/
日本映画を世界に発信アジア最大級の映画祭
今年は日本を代表する映画俳優の軌跡として、役所広司さんの作品を上映。また、『夜明け告げるルーのうた』など、世界で注目を浴びるアニメーション監督、湯浅政明さんを特集。他国内外の話題作を上映予定。
第31回 東京国際映画祭
10/25 ~ 11/ 3、六本木ヒルズ、EX シアター六本木ほかにて開催
http://www.tiff-jp.net
取材・文/山西裕美(ヒストリアル)