第1回『スパイの妻』<劇場版>

映画コメンテーター、有村昆さんが話題の映画作品の見どころを語る本誌連載が「upPLUS online」でスタート♪
今回は宣伝担当をゲストに迎え、第77回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門の銀獅子賞(監督賞)を、日本人として17年ぶりに受賞した黒沢清監督最新作を検証します!

撮影/カキモトジュンコ(パーシモン) 取材・文/山西裕美(ヒストリアル)

『スパイの妻』<劇場版>

Story
1940年の神戸。恐ろしい国家機密を知ってしまった優作(高橋一生)は、正義のために一連の出来事を明るみに出そうとする。反逆者と疑われることになった彼の妻、聡子(蒼井優)はスパイの妻とののしられようとも、愛する夫を信じ共に生きることを心に誓う。そんな2人の運命を太平洋戦争開戦間近の大きな荒波が飲み込んでいく。

【監督】黒沢清【脚本】濱口竜介、野原位、黒沢清【音楽】長岡亮介
【出演】蒼井優、高橋一生、坂東龍汰、恒松祐里、みのすけ、玄理、東出昌大、 笹野高史
10/16(金)より、全国にて公開
©2020 NHK, NEP, Incline, C&I

ヴェネチア国際映画祭受賞式の時間、日本は深夜。黒沢清監督は就寝中で……

有村 黒沢清監督のヴェネチア国際映画祭コンペティション部門の監督賞、日本人として17年ぶりに受賞、おめでとうございます!

梶原 ありがとうございます! 受賞後は、主演の蒼井優さん、高橋一生さん同様に、黒沢監督への取材も増えて、たくさんの方に観ていただけるチャンスができたことを、宣伝一同喜んでいます。

有村 受賞を聞いたとき、監督はどのようなご様子でしたか?

梶原 本来ならば映画祭に赴いてそこで発表を聞くわけですが、今年は基本的にはリモートでの参加。受賞が発表されるタイミングは日本では深夜ということで、ヴェネチア国際映画祭サイドから、監督に「何かの賞を受賞したときのために、前もってコメントをください」というオファーがあったんです。それでなんとなく「ありがとう」みたいな、ふわっとしたコメントを用意していただきました。受賞後、そのコメントがたくさんのメディアで流れたので、監督は戸惑っていらっしゃいました(笑)。発表時日本は深夜4時頃で、監督自体は寝ていらしたとか。

有村 黒沢監督が受賞してびっくりというより、「ついに獲ったか」と思う映画ファンも多かったんじゃないかなと思います。たまたまこのタイミングで受賞したという感じですね。黒沢監督は、だいたいいつも二塁打ヒットを打つ監督ですからね。

梶原 黒沢監督にホラーのイメージを持つ方も多いと思います。でもこの作品では、映画『寝ても覚めても』監督の、濱口竜介さんと『ハッピーアワー』脚本の野原位さんが脚本に参加していて、エンターテイメント性がより高まった感じがします。ラブサスペンスでもあり、私たちのような世代の女性にも観やすい作品になった気がします。

こだわり抜かれた色・デザインの衣裳にうっとり ひとりの男性を愛し抜く、女性の姿にも感動

有村 僕も黒沢作品はひと通り観ていますが、監督の好きな映画のタイプって二極化されていると思うんですよ。ひとつはジャン=リュック・ゴダール作品のように文学的で、シネフィル(映画通、映画狂を意味するフランス語)的なもの、もうひとつは大衆に好まれる作品。確か黒沢監督はスティーブン・スピルバーグが好きだったんじゃないかな。その二極化された好みが、一緒になったのがこの作品だと思うんです。蒼井優さん、高橋一生さんという人気俳優をキャストに、日本軍にある秘密があって……というちょっとツウなストーリーの展開を合わせている。ちょっと不気味な感じに仕上がっているところが黒沢監督らしい! 女性的には、どんなところに目が行きましたか?

梶原 とにかく、蒼井優さん演じる、聡子の衣裳の可愛さですね。

もともとNHK BS8Kのために作られたものなので、8Kということで色にこだわったという話を聞いていたんです。ワンピースの黄色もただの黄色じゃない、紺も赤もどれも深みのある鮮やかな色で、しかもデザインが可愛くて、スクリーンでも見ると本当に素敵で……。

有村 なるほど。このストーリーはフィクションだけど、きっとこんなふうに旧日本軍が隠している事実ってあるんじゃないかと、僕は興味がわきましたね。衣裳よりもそちらが気になった(笑)。

梶原 あとは、夫・優作に真正面から向かっていく聡子の情熱と行動力はすごい。ひとりの女性として、ここまでひとりの男性を愛せるのは素敵だなぁ、と。

有村 そうですね。聡子と優作の結末は、是非、『upPLUS』読者世代にも観て欲しいですね。何といっても、北野武監督以来、日本人として17年ぶりに銀獅子賞を受賞した黒沢清監督最新作ですからね。観ておいて絶対損なし。きっと、日本映画のよさを感じてもらえると思います。

「昭和初期のセットも、さすがNHK! 素晴らしい」(有村)
「これはNHKつくば市にあるセットで、『いだてん~東京オリムピック噺~』のために作ったもの。この作品でもそのまま使っているそうです」(梶原)

「聡子の幼馴染でもある神戸憲兵分隊本部の分隊長・津森泰治を演じる東出昌大さんの演技もよかった。軍服の着こなしも完璧でした」(有村)

 

梶原純音さん
ビターズ・エンド所属。映画宣伝歴半年の25歳。新卒後、人材派遣会社の制作職を経て、以前から興味のあった映画に関わる世界に。好きな映画は「少年がじわじわと成長していくような感動ストーリー」。好きな映画は『(500)日のサマー』。

「ノベライズも好評発売中! 読んで観に行っても、読まないで観に行っても楽しめます。映画と小説は、結末が違います!」(梶原)

Author Profile

有村 昆
有村 昆映画コメンテーター
映画コメンテーターとして、数々のTV、イベントなどで活躍中。BayFM『The BAY☆LINE』、TBS『アカデミーナイトG』、AmebaTV『ふわっと教えてアリコン先生』などに出演中。YouTube『有村昆のシネマラボ』を公開中。

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