ビッグな話題が満載の年末年始のカルチャ―。今号は、ボリュームアップのスペシャルバージョンでお届け!

今月のオススメ舞台

2020年も感動の体験ができる舞台が、続々決定!
ミュージカル、ストレートプレイ(演劇)、コンサートに分けてご紹介♪

天才作曲家の処女作がついに日本版初上演!

『キャッツ』『オペラ座の怪人』などの天才作曲家アンドリュー・ロイドー=ウェバーと、『エビータ』『ライオンキング』の作詞を手掛けたティム・ライス。両巨匠の原点ともいえるミュージカルの日本版が初上演。旧約聖書「創世記」の「ジョセフの物語」を基に、数奇な運命をたどるジョセフの人生を、ロックからシャンソンまで多彩な音楽に乗せて描く。主演はHey!Say!JUMPの薮宏太。

ミュージカル『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』
【出演】薮宏太(Hey! Say! JUMP)、すみれ/シルビア・グラブ(Wキャスト)、小西遼生、小浦一優(芋洗坂係長)、村井國夫
2020年4月、東京・日生劇場、5月、大阪・オリックス劇場にて上演
https://www.josephthemusical.jp/

ABBAの名曲に彩られた傑作が横浜で初公演

20歳のソフィは、結婚式でまだ見ぬ父親とバージンロードを歩くため、かつて母ドナの恋人だった3人、サム、ビル、ハリーをこっそりと結婚式に招くが……。世界的ポップスグループ「ABBA(アバ)」のヒットナンバーで、母と娘の愛と絆をつづる。2002年の東京初演以来、日本各地でも大ヒット記録を樹立してきたミュージカルが横浜で初、首都圏では約3年半ぶりの上演。

劇団四季 ミュージカル『マンマ・ミーア!』
2020年3/28~8/10、KAAT 神奈川芸術劇場<ホール>
https://www.shiki.jp
撮影:下坂敦俊

ミュージカル界の巨匠の傑作がいよいよ日本初演

アンドリュー・ロイドー=ウェバーの傑作が、緻密な演出で数多の舞台賞を受賞した白井晃の演出で日本初演。各メディアで活躍する三浦春馬、今やミュージカル界に欠かせない存在となった生田絵梨花ら豪華キャストが集結する。1959年のルイジアナ。脱獄した一人の男(三浦)と遭遇した少女スワローは(生田)は、彼をイエス・キリストの生まれ変わりと信じ、あるお願いをするが……。

ミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳~』
【出演】三浦春馬、生田絵梨花、平間壮一/東啓介(Wキャスト)、鈴木瑛美子/MARIA-E(Wキャスト)、福井晶一 ほか
2020年3/7~29、東京・日生劇場にて上演
http://www.whistledownthewind.jp/

オール男性俳優&関西弁の異色すぎるロミジュリ

映画『焼肉ドラゴン』でも高い評価を得た鄭義信による、誰も見たことのない、アツくて笑えて泣ける異色の「ロミオとジュリエット」。役名・地名はそのままに、舞台を関西弁が飛び交う戦後間もない港町へ移し、対立組織に属する男女の悲恋を描き出す。ロミオの桐山照史、ジュリエットの柄本時生をはじめ、出演は全員男性。

シアターコクーン・オンレパートリー2020『泣くロミオと怒いかるジュリエット』
【出演】桐山照史、柄本時生、橋本淳、元木聖也、高橋努、岡田義徳、朴勝哲、みのすけ、福田転球、八嶋智人、段田安則 ほか
2020年2/8~3/4、東京・Bunkamuraシアターコクーン、
2020年3/8~15、大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演
https://www.bunkamura.co.jp
https://kyodo-osaka.co.jp

1985年の伝説の舞台が渡辺謙主演で上演

2020年3月に新しく生まれ変わってオープンするPARCO劇場のオープニングシリーズ第一弾。劇作家ピーター・シェーファーの傑作を伊丹十三が翻訳、山崎努主演で1985年に上演された伝説の舞台が復活。兵を率いてインカ帝国を征服したスペイン将軍ピサロは、生け捕りにしたインカの王アタワルパに次第に心を開いていくが……。主人公ピサロに世界的俳優の渡辺謙、アタワルパに宮沢氷魚。

PARCO劇場オープニングシリーズ第一弾『ピサロ』
【出演】渡辺謙、宮沢氷魚 ほか
2020年3/13~4/20、東京・PARCO劇場にて上演
https://stage.parco.jp/program/pizarro/

『ファウスト』の舞台を現代に移した意欲作

英国演劇界を率引する劇作家サイモン・スティーヴンスが、『ファウスト』を現代ロンドンを舞台に置き換えた意欲作が、日本で世界初演。出演は森田剛、吉岡里帆ら。映画監督として成功をおさめるが、あるトラウマを抱えて生きる男フォーチュン(森田)は、悪魔と契約して欲望をかなえるが、やがて闇へと堕ちていく。

PARCO PRODUCE 2020『FORTUNE フォーチュン』
【出演】森田剛、吉岡里穂、田畑智子、市川しんぺー、平田敦子、菅原永二、内田亜希子、皆本麻帆、前原滉、斉藤直樹、津村知与支、根岸季衣、鶴見辰吾
2020年1/13プレビュー公演、1/14~2/2、東京芸術劇場プレイハウスにて上演
https://stage.parco.jp/program/fortune/

貴重な映像と生オーケストラでつづる人類の記憶

1995年から1996年にかけて放送された『映像の世紀』と、2015年から2016年にかけて放送された『新・映像の世紀』のために世界中から収集された莫大な歴史的映像の数々。それらを加古隆が作曲した名曲の数々に合わせて再編集した特別な映像を、オーケストラの生演奏と共にステージ上の大スクリーンで上演するコンサート。

『NHKスペシャル 映像の世紀コンサート』
【出演】加古隆、岩村力、山根基世、東京フィルハーモニー交響楽団
2020年3/15、東京・すみだトリフォニーオールにて開催
https://avex.jp/classics/eizou-no-seiki2020/

ロサンゼルスで人気を博した公演が日本初上陸

ディズニーのアニメーション映画『美女と野獣』を、フルオーケストラの演奏と共に大スクリーンで上映。ベル役の上白石萌音、ルミエール役の横山だいすけ、ポット夫人役のクリスタル ケイら豪華キャストによる歌とパフォーマンスも楽しめるフィルム・コンサート。スペシャルゲストで作曲家のアラン・メンケンが登場。

Disney on CLASSIC Premium『美女と野獣』 イン・コンサート
【出演】THE ORCHESTRA JAPAN、ささきフランチェスコ
【ゲスト】アラン・メンケン、ペイジ・オハラ
2020年2/22,23、横浜アリーナにて開催
Presentation licensed by Disney Concerts.
©Disney ©2019 Dinsey
https://www.disney.co.jp/bb-inconcert

映画音楽の巨匠作品を生演奏で満喫するコンサート

『スター・ウォーズ』シリーズなどで知られる、映画音楽界のレジェンド「ジョン・ウィリアムズ」に焦点を当てたコンサート。ジョン・ウィリアムズのサポートを約10年務めている原田慶太楼を指揮に迎え、オーケストラの生演奏とジョン・ウィリアムズの各作品に対する想いを感じられる、贅沢なひとときをお届け。

『THE MUSIC OF JOHN WILLIAMS:STAR WARS AND BEYOND』
【出演】原田慶太楼、東京フィルハーモニー交響楽団
2020年4/4、東京・サントリーホールにて開催
http://www.promax.co.jp/

今月のオススメアート&注目イベント

2020年も、世界の芸術品が一気に見られる大型展覧会が続々上陸。
情報をチェックしながら、開催を待って!

世界初開催!全ての作品が初公開

西洋絵画に特化し、質の高いコレクションを持つことで知られる、ロンドン中心部の美の殿堂、ロンドン・ナショナル・ギャラリー。200年近い歴史の中で、英国外で所蔵作品展が開かれたことがない、そのコレクションが日本初上陸。フェルメール、ゴッホ、レンブラントなど全61作品。「イギリスとヨーロッパの大陸の交流」という視点から西洋絵画の歴史を辿る。

『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』
2020年3/3~6/14、東京・国立西洋美術館にて開催
https://artexhibition.jp/london2020/

都市生活、近代芸術と「子ども」との関係を検証

ピエール・ボナール《子どもたちの昼食》
1897年頃 油彩/板 ナンシー美術館蔵
Photo ©RMN-Grand Palais/A gence Bulloz/distributed by AMF

19世紀末のパリの前衛芸術家グループ「ナビ派」の画家たちが追求したテーマの中から、「子ども」に焦点をあてた展覧会。フランス、ル・カネのボナール美術館の全面協力のもと、国内外の美術館、三菱一号館美術館の所蔵作品から、ボナール、ヴァロットン、ドニ、ヴュイヤールらの、油彩・版画・素描画など約100点を紹介。

『開館10周年記念 画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン』
2020年2/15~6/7、東京・三菱一号美術館にて開催
https://mimt.jp/kodomo

古典と現代の新解釈を生むコラボレーション

葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》 
江戸時代・19 世紀 大判錦絵 25.2×38.5cm
和泉市久保惣記念美術館
しりあがり寿《ちょっと可笑しなほぼ三十六景 太陽から見た地球》 
2017年 和紙にインクジェットプリント 32.0×47.0cm 作家蔵
(両作品展示替予定あり)

美術、デザイン、建築などの分野の第一線で活躍している現代作家の作品と、日本の古典美術の名品を組み合わせて展示する展覧会。古典からは円空、乾山、蕭白、仙厓、北斎らの作品と仏像、花鳥画、刀剣の名品。現代からは、川内倫子、鴻池朋子、しりあがり寿、菅木志雄、棚田康司、田根剛、皆川明、横尾忠則。これにより造形的、精神的な類似性や親和性を明らかにする。

『古典×現代2020-時空を超える日本のアート』
2020年3/11~6/1、東京・国立新美術館にて開催
https://kotengendai.exhibit.jp

現代の「画家の中の画家」日本初個展

《ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ》
2000年-02年、196×296cm
シカゴ美術館
©Peter Doig.All rights reserved,DACS&JASPER 2019 C2966

ロマンティックでミステリアスな画風で、世界で最も重要なアーティストのひとりとされているピーター・ドイグ。ゴーギャン、ゴッホ、マティス、ムンクら近代画家の作品の構図やモチーフと映画のワンシーン、自分の周りの風景を組み合わせた絵画で、後続世代のアーティストに絶大な支持を得ている彼の初期~最新作が集結。

『ピーター・ドイグ展』
2020年2/26~6/14、東京国立近代美術館にて開催
https://peterdoig-2020.jp

知るともっとおいしい「和食」に迫る展覧会

2013年「和食;日本人の伝統的な食文化」が、ユネスコ無形文化遺産登録を受けて以来、ますます世界各地で関心が高まっている和食。日本列島の自然がもたらした多彩な食材や、人々の知恵で作り出された発酵の技術などを、バラエティな豊かな標本や資料、古代から未来をも見据えた和食の変遷などを標本、資料、映像などで紹介。

特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」
2020年3/14~6/14、東京・国立科学博物館にて開催
https://washoku2020.jp

1300年前の壁画が、在りし日の威容で迫る

法隆寺金堂壁画(模本)第1号壁 釈迦浄土図 
桜井香雲模 明治17年(1884)頃
東京国立博物館蔵
前期(3/13 ~4/12)展示

世界最古の木造建築である金堂を持つ、世界遺産・法隆寺。昭和24年の火災により、大半が焼損したものの、焼損前に描かれた模写などは存在する。2020年は、文化財保護法が成立して70年。法隆寺金堂壁画の模写や、23年ぶりに東京で公開される国宝・百済観音など、美の世界を体感できる。文化財を保護し継承することの大切さを伝える。

『特別展法隆寺金堂壁画と百済観音』
2020年3/13~5/10、東京国立博物館 本館特別4室・特別5室にて開催
https://horyujikondo2020.jp/

日本が世界に誇る「ものづくり」テーマの特別展

綾杉地獅子牡丹蒔絵十種香箱
幸阿弥長重/作
慶安2年(1649)江戸東京博物館蔵

日本人の暮らしとともにあった日本の伝統美術。豊かな遊び心と繊細な美意識で作られ、四季折々の生活シーンに応じて配される建具や調度品は、人々に潤いと色彩を与えてきた。ベニス東洋美術館所蔵「バルディコレクション」の日本初公開をはじめ、江戸東京で活躍した職人たちの仕事と人生に光をあてた展覧会。

特別展『江戸ものづくり列伝―ニッポンの美は職人の技と心に宿るー』
2020年2/8~4/5、東京都江戸東京博物館 1階特別展示室にて開催
https://www.edo-tokyo-museum.or.jp

世紀末カタルーニャの成熟した文化が集結

ラモン・カザス《影絵芝居のポスター》1897年、リトグラフ・紙
マルク・マルティ・コレクション
©Marc Marti Col・leccio

世界遺産サグラダ・ファミリアなど豊かな観光資源で人々を魅了する観光都市、スペイン、カタルーニャ自治州の州都バルセロナ。この地域の近代化が進んだ1850年代から1930年代後半の最も成熟した時期に、ピカソやミロ、ダリなどが若き日々を過ごしてきた。絵画、ドローイング、彫刻、家具、宝飾品など約130点で、この時期の熱気を伝える。

『奇蹟の芸術都市 バルセロナ ガウディ、ピカソ、ミロが愛したカタルーニャの熱気』
2020年2/8~4/5、東京ステーションギャラリーにて開催
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

優しさあふれる作品の創作の源を探る

「ネコ(ユニークピース)」1970年代
©Lisa Larson / Alvaro Campo

コケティッシュな動物や素朴で温かみがある表情豊かな作品で、日本を含む世界中に多くのファンを持つスウェーデンの陶芸家・リサ・ラーソン。初期から近年の代表作約200点、彼女が創作において影響を受けた北欧を代表するデザイナー、スティグ・リンドベリなどの作家作品約20点を展示。彼女の創作の旅路を辿る。

『リサ・ラーソン展 創作と出会いをめぐる旅』
2020年2/23~3/4、東京・松屋銀座8階イベントスクエアにて開催
問:松屋銀座 03-3567-1211(大代表)

 取材・文/山西裕美(ヒストリアル)

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