橋本祥平【THEATRE】

文豪の名前を懐(いだ)いたキャラクターが織りなす大人気異能力バトルアクション漫画『文豪ストレイドッグス』、アニメを原作とした舞台『文ステ』がいよいよ終劇を迎える。
初演から出演する橋本祥平さんに、その思いを語っていただきました。

全てに“ありがとう”の気持ちを込めてやり切りたい

アニメ、映画など、さまざまに展開する『文豪ストレイドッグス』の初舞台化は2017年。8作目となる今作は集大成、“終劇”となる。

6年前に出会った『文豪ストレイドッグス』は、僕にとって『役者として頑張っていく』というビジョンが見えるきっかけとなった作品。
今までは『これが終わっても、共演者やスタッフのみなさんにまたすぐ会える』という思いがあったので、やっぱりさびしいです。
でも“終劇“としてきちんと終わらせてもらえることは、役者としてありがたいですね。今まで不満を感じることは一切なく、本当に幸せな現場でした。

物語の中で、架空都市・ヨコハマの港を縄張りにするポートマフィアの構成員・芥川龍之介を演じている橋本さん。冷徹なキャラクターを表現したメイクが印象的。

アイラインはメイクさんに描いていただくんですけど、舞台ではベースメイクは自分ですることが多いんです。
芥川は顔色が白いキャラクターなのもあるんですけど、気合いが入りすぎちゃって、なんだかいつも厚化粧になっちゃうんです(笑)。

そのなじみ深いメイクも今回がラスト。他にも最後になるものがある。

今回は対立する異能力者集団・武装探偵社の中島 敦(鳥越裕貴)と共闘して敵を倒すストーリーということもあって、ポスタービジュアルではいつも芥川が着ている外套を敦が着ているんです。
初演から芥川はこの外套を着たままぐるぐる転がったり、倒されたり、激しいアクションをしてきました。途中メンテナンスをしていただいてはいたんですが、初演時からずっと同じものを使用しています。
だいぶ“お疲れ”な感じのこの外套とも今回でお別れ。全てに“ありがとう”の気持ちを込めてやり切ります!

実存した文豪の名前を懐いたキャラクターが、それぞれの作品にちなんだ異能力を用いて戦うストーリーの作品。芥川役を演じたことで、実在する文豪・芥川龍之介も身近な存在になったのかというと……。

実在の芥川龍之介といえば、僕にとっては“文ステ”で自分が演じたキャラクターイメージが先にあるので、不思議な感覚ではあります(笑)。
でも『羅生門』などの有名作品以外も調べるようにもなりました。
僕のように“文ステ”がきっかけで、文豪の人物像や作品を調べた人も多いんじゃないかな。
そういう意味でもこの作品は革命的ですよね。

原作で使われる言葉の美しさが活きた舞台になっていると橋本さん。

朝霧カフカ先生の使う言葉は美しくて、力をもらえるんです。
そのワードセンスも活かされている舞台になっていると思います。

大阪公演が終了し、残りの東京公演に向け気合いは十分。

以前も夏に僕の実家で鳥越くんや田淵累生くん、岸本勇太くん、植田圭輔くんとバーベキューをやったことがあったんです。
この夏も『できたらいいな』と思っているんですけど、鳥越くんに言ったら、すぐ来ちゃいそうだからまだ言ってないです(笑)。
とにかく今は自分の出せる全てを活かして、最後までこの舞台を頑張ります。
スタッフのみなさんの“愛”を感じられるラストになっているので、ぜひ楽しんでいただきたいです。

高校生のときに従兄弟に電子ドラムをもらったのをきっかけに、独学でドラムをスタート。それを生かしてバンド『Argonavis(アルゴナビス)』ではドラマーとして活躍中。普段はロック系の音楽をよく聴くのだそう。

グリーン・デイやマイ・ケミカル・ロマンスといった洋楽ロックが好きです。
ドラムのフレーズを作る勉強になるんですよ。
もっともっと鍛錬して上手くなりたいですね。
そして舞台でバンドの物語をドラムの実演しながら演じてみたいですね。

2023年が20代ラストとなる橋本さん。

『30代になったら生き方を変えなきゃな』と考えていた時期もあったんですが、だんだんわかってきたんですよ。
『多分、変わらないんだろうな』って(笑)。
だからあまり意識せずに自分がやりたいことをやれたらいいな、くらいの気持ちで向かっていきたいですね。


舞台『文豪ストレイドックス 共喰い』
【原作】TVアニメ「文豪ストレイドッグス」
【脚本・演出】中屋敷法仁
【協力】朝霧カフカ・春河35
【出演】鳥越裕貴、田淵累生、輝馬、長江崚行、桑野晃輔、堀之内 仁、桑江咲菜、今村美歩、齋藤明里、和泉宗兵 / 橋本祥平、植田圭輔、正木航平、夢月せら、根本正勝/ 君沢ユウキ 永田紗茅 / 大石 樹、エリザベス・マリー / 岸本勇太、香取直登、鹿野宗健 / 松田 岳 ほか
6/22〜7/2、東京・日本青年館ホールにて上演
©舞台「文豪ストレイドッグス 共喰い」製作委員会
巨大異能戦争は終結を迎え、武装探偵社とポートマフィアは休戦協定を結ぶ中、フョードル・Dの恐るべき謀略が牙をむく。それぞれの想いを胸に、究極の選択を迫られる武装探偵社とポートマフィアの行く末は……。

はしもとしょうへい
1993年12月31日生まれ、神奈川県出身。
2013年俳優デビュー。
近年の主な出演作品に、映画『文豪ストレイドッグス BEAST』、ドラマ『あいつが上手で下手が僕で シーズン2』など。
8月には舞台『刀剣乱舞』七周年感謝祭―夢語刀宴會―の出演を控えている。

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