2004年にCDデビューして、15周年イヤーに突入した木村カエラさん。
自身の作詞・作曲したものや、Chara、あいみょんなど提供のナンバーを含む、〝甘くてすっぱい〞魅力的なアルバムが完成しました!
壊すことで先に進める……変わることは、続けるために必要
――15周年を迎えることに感慨はありますか?
デビュー当時、女性アーティストが10年続けることも難しい、って聞いたんです。だから、10年を超えたときは、「まだこれからだ。頑張れ!」と気合いが入る状態だったんです。でも、15周年を迎えることになったときは、「もっと自分らしくいられればいいや」って思うようになって。今までの自分を取っ払って、新しく! っていう感覚になってきたので、それがすごく心地いいですね。
――肩の力が抜けて来たんでしょうか?
そうですね。例えば歌詞の書き方にしても、15年もやっていると、「この流れがカッコイイとか、サビはこうでなきゃ!」というようなルールみたいなものが自分の中に出来てきていたんです。でも、それが逆に気持ち悪くなってきた。それで、もうそういうのを気にせず自由にパッと出てくる言葉で歌詞を書こうとか、昔だったら恥ずかしくて書けなかったことを、包み隠さずに出せればいいなって思うようになったんです。それが今回のアルバムを作っているときに意識したことですね。
可愛いけど毒がある女性と一緒に作りたかった
――今回の楽曲制作にはCharaさんやあいみょんさんも参加なさっていますね。それも新しいものを作っていくために試みたことですか?
はい。自分がカッコイイと思った人と一緒に作ったら、絶対にいいものが出来るという確信がありました。それに、アルバムタイトルの『いちご』って、かわいいけど毒々しいし、甘いけどすっぱかったりもするじゃないですか。だから、そういう面を持っている女性と一緒にやりたい気持ちもありましたね。
ギター1本で歌を作った初めての挑戦も
―― タイトル曲の『いちご』は、カエラさんの作詞・作曲。シンプルなサウンドをバックに人生観を表現した楽曲だという印象を受けました。
自分の中の人生観かなって思います。そういうことを書くことも今まではなかったんですけど、今回はそのモードに入っちゃっていたので。それにギター1本でひとりで曲を作ることも初めてだったので、そこも新しい挑戦です。
―― このアルバムを作ったことが、ひとつ殻を脱ぎ捨て、また新しく生まれるためのいいきっかけになりそうだなという思いですか?
はい。私、音楽が好きすぎて辛いんですよ(笑)。でも、やっぱり20周年も迎えたい。だから、その好きすぎる熱をうまく消化するためにも、ここで1回自分を壊したいという気持ちもあったんです。続けていきたいからこそ、どうあるべきかを一旦考える。15周年が私にそれを考えるきっかけをくれたので、15周年に感謝しています(笑)
※本記事はアッププラス2019年8月号より一部抜粋して掲載しています
きむらかえら
2004年、シングル『Level42』でデビュー、大ヒットを記録。
2013年自身が代表を務めるプライベートレーベル、ELAを設立。
2018年、初の描き下ろし絵本『ねむとココロ』を出版するなどの活動も。
2019年6月23日のデビュー日にアニバーサリー公演を成功させた。
『いちご』
7/31 発売 ビクター カラフルレコーズ
[初回限定盤 CD + DVD]¥3,700
[通常盤 CD]¥3,000
自身が出演中のダイハツ キャストCM『My Favorite』篇で流れる『セレンディピティ』、7月26日より全国にて公開される映画『ペット2』のイメージソング『BREAKER』など、全てが新曲。
自身の作詞・作曲によるタイトルナンバー『いちご』、あいみょん作詞・作曲の『Continue』、ノルウェーの奇天烈アートロックバンドPom Poko提供のナンバー『MUSIC ON WORLD OFF』など、全11曲を収録した2年9か月ぶりのアルバム。
撮影/神戸健太郎
スタイリング/白山春久
ヘア&メイク/フジワラミホコ
取材・文/高橋栄理子