日本を代表するアニメーション監督・原恵一さんの最新作『バースデーワンダーランド』に、近年出演映画が高い評価を受けている、松岡茉優さんが声優初主演。
GWに公開する、大人が泣けるこの映画の魅力を、語っていただきました!
かつてアカネのような女の子だった女性に観て欲しい
――今回声を演じられたアカネは小学生ですが、小学生らしさを意識しましたか?
今の自分の声は、意外と小学生のときと変わってないような気がするんです。だからあまり気負わずに、「子ども、子ども」と思いすぎないようにしていました。小学6年生は大人が思うよりも大人だと思うので、原恵一監督が考えていらっしゃった「自分の考えをちゃんと持っている女の子」という部分を考えて演じさせていただきました。
――松岡さんご自身は、アカネをどういう女の子だと思って演じられましたか?
自分の子どものころに近いところがあるな、と思っていました。優柔不断で大きな決断は誰かに決めて欲しいタイプ。群れるのは好きではないけど、ひとりでもいられない。かつて同じ思いを持った女の子だった女性はたくさんいると思います。
クライマックスでは感情があふれ出し、涙に……
――アカネがチィと冒険する「ワンダーランド」には、巨大な金魚に乗って移動したり、ネコが入国審査官だったり、ワクワクするような出来事がたくさん詰まっていますね。松岡さんが一番ワクワクした部分はどんなところですか?
私が一番好きなのはクライマックスのシーンです。感動の涙があふれてきました。色合いが素晴らしい作品なので、どのシーンもワクワクします。そして、milet(ミレイ)さんの『Wonderland』が素晴らしいので、目で見て耳で聴いて楽しんでいただけると思います。
――感動の涙があふれたラストのシーンは、どんな気持ちになったんでしょうか?
誰かがいなくなってしまうわけでもないし、悲しさも怒りもないけど、なぜか感情のツボがいっぱいになってしまうという不思議な体験です。感情があふれかえってどうしようもないから泣いてしまう……。こんな感情は、きっと子どものころ以来だと思います。私も収録をしながら泣いていました。
――『upPLUS』読者は、松岡さんと同世代の女性が多い雑誌です。読者にこの作品のおすすめポイントをお願します。
私も読者のみなさんも、小学6年生を通ってきているので、きっとアカネに共感していただけると思います。アカネのどっちつかずで、自分ではどうしたらいいのかわからない……そういうところに共感してくださる方も多いはず。そんな気持ちを思い出しながら観ていただきたいですね。あと、女の子同士で観に行っていただくのも楽しいかも。私もゴールデンウィークに、またこの作品を観たいと思っています!
※本記事はアッププラス2019年5月号より一部抜粋して掲載しています
まつおかまゆ
1995年2月16日生まれ。東京都出身。
2017年『勝手にふるえてろ』で映画初主演。2018年は出演映画『万引き家族』が、カンヌ映画祭パルムドールを受賞。10月4日に主演映画『蜜蜂と遠雷』の公開が控えている。
『バースデー・ワンダーランド』
4/26より、全国にて公開
【監督】原恵一
【声の出演】松岡茉優、杏、麻生久美子、東山奈央、市村正親
© 柏葉幸子・講談社/ 2019「バースデー・ワンダーランド」製作委員会
誕生日の前日、自分に自信がない少女アカネ(松岡茉優)は、突然現れた謎の大錬金術師とその弟子に連れられ、叔
母のチィ(杏)が営む骨董店の地下室からつながるワンダーランドへ。アカネはそこで救世主にされ、大冒険を繰り広げることに。日本アニメ界が誇る名手・原恵一監督が、柏葉幸子の名作児童文学を想像力豊かにアニメ化。
撮影/米玉利朋子(G.P.FLAG Inc)
スタイリング/有本祐輔(7回の裏)
ヘア&メイク/宮本愛(yosine.)