「聴覚」には、人の声や音楽など、鼓膜を通じて聴く「気導管」と、自分が食べている時や触れたりすることで、からだに響いて発する「気骨音」があります。
自分に心地良い「言葉の音」や「音の振動」などが、自分の心とからだを癒すことにつながっていきます。
「聴覚」がもたらすその効果を取り入れることで、明日の自分がもっときれいになるはず！

聴覚がもたらす心身のリラックス効果とは

視覚の次によく使う感覚といわれる聴覚。 視覚とはすなわち「耳で聞く」ということ。

音の強弱、高低、音色、音源の方向、リズム、言語を認識する能力機能のことです。

私達が音として認識している音波の領域は可聴音域と呼ばれ、20〜2万Hzの周波数を放っています。
そのうち低音・高音ともに心地良く聞きとれる領域はピアノの音域（約27〜4000Hz）といわれており、個人差はありますが年を重ねるごとにこの音域が狭くなっていきます。

コウモリやイルカの可聴域は人間よりもはるかに広い20万Hｚ。
そう比べてみると私達が音として認識できる領域はごく一部だということがわかります。

聴覚には2つの種類があります。鼓膜を通じて聴く「気導音」、骨を通じて聴く「骨導音」です。

例えば、心身をリラックスさせる音楽にモーツァルトのピアノやバイオリンの音楽などがあります。これは「気導音」。
4000Hｚ以上の低周波の音で倍音が多く、自律神経の副交感神経を優位にし癒しの効果があります。

また私達が無条件でリラックスしてしまうリズムがあります。自然界に多く存在している1/fのゆらぎです。1/fのゆらぎとは、規則性と突発性、予測性と逸脱性が適度に組み合わされたゆらぎのことです。
例えば、波の音、滝の音、鳥の声、雨の音など、自然界の中にある音のこと。
心拍数や呼吸を整えリラックス効果をもたらしてくれます。

そして、2つ目の「骨伝導」。
音の振動が骨に伝わり、そのまま聴覚神経へ伝わる聞こえ方です。
お菓子をボリボリ音を立てて食べ る時やサラダをシャキシャキ食べる時の音、イヤホンをしながら話した時など、カラダに響く音のことです。

私の五感セラピーではこの骨導音と1/fゆらぎリズムをマッサージの時に音として使っています。
赤ちゃんがお母さんの体内音でよく眠るというように、私達のからだの音はストレスを抱えている心とからだに、とても安心できる音なんです。

「私はきれい♡」で本当にきれいになる!?

この「音」によって、自分自身を癒すセラピーがあります。
「内なる自分の音」、自分の声やからだの自を感じることがストレスケアには1番効果的です。

家族や友達と喧嘩をしてイライラしている時、「ありがとう」、「ごめんね」、「大丈夫 」など、自分の声を使うことでイライラを癒すことができます。
これは実際に癌の治療現場などでも医療的に用いられている方法でもあります。
自分の声を「骨導音」で響かせて、ネガティブな音を外しポジティブな音で感情を変えていく方法です。

喧嘩をしている時になかなか難しいかもしれませんが、「ありがとう」を声に出していると不思議にイライラが取れてくることもあります。
「私はきれい♡」と声に出していると、肌がキレイになったと感じてきたり、「私は痩せている」と声に出せば過食が収まってきたり、また「私は幸せ」と言っていると幸せを見つけやすくなり、幸せ体質へと導くことができます。

母音が導くセルフセラピー

母音には優れた治癒力効果があるといわれています。例えば仏教寺院で僧侶たちが唱える声明。
その長く引き延ばされる母音の声の響きに、からだが自然にリラックスするという生理学的効果があるとされています。

それでは実際に簡単に自分でできる「ア・イ・ウ・エ・オ」ボイスケアを下の表記でご紹介します。
声に出して気になる音を5分ぐらい発声してみて下さい。

大切なのは、自分にポジティブな言葉をかけてあげること。
人は褒められると嬉しいですよね、それは自分の心やからだも同じこと。
自分を褒め労ってあげて下さい。
潜在的にまだ見えていない能力や可能性など、素敵なあなたが目覚めるかもしれません。

五十嵐 久美子
一般社団法人 五感セラピー協会 理事長、INFA国際エステティック連盟国際ライセンスゴールドマスター、IEA国際エステティィクライセンス、ＥＵ認定校デビアン美容専門学校認定講師、スペイン政府認定プラガ国際ライセンス、色彩心理学認定トレーナー。
エステティシャンの経験を経て、19年前にエステ技術だけではなくメンタルケアの必要性を感じ、五感セラピーをドイツで学び始める。
当時プライベートでもストレスを抱えていたが、旅行も兼ねて訪れたドイツで、代替療法を学びながら自身も五感がもたらす幸福感に癒されたという。
以後、五感セラピーの第一人者として、五感セラピー協会を発足。自らによる施術、講演会、企業顧問、執筆など活躍は多岐に渡る。
サロンでの施術は数ヶ月先まで予約待ち。

イラスト／itabamoe