【門脇 麦】その時期にしかない輝きが“青春”なんだと思う

本名すら知らなかった、遊び仲間の死をきっかけに揺れる若者たちの姿をエモーショナルに描いた、映画『チワワちゃん』。
主人公ミキを演じた、実力派女優・門脇 麦さんに、役作りのこと、この作品を観て感じたことを聞きしました。

シンプルな衣装にミキをつかむヒントがあった

――今回演じられたミキは、登場人物やエピソードをつないでいく役割だったと思うのですが、脚本を読んでミキをどのような人物としてとらえられましたか
準備稿の段階ではミキのキャラクターが見えづらく、主人公としての立ち位置も明瞭ではなくて。
新たににいただいた完本でようやく見えてきたかな……という感じでしたが、それでも不安が残るまま現場に入りました。

――ミキという女性を、どのようにつかんでいったのでしょうか?
みんなで集まるシーンなどは、撮影前にリハーサルをしたりワークショップをしたり、という機会が何度かありました。それぞれの役柄の身の置き方をなんとなく掴む良い時間だったと思います。
ミキたちの仲間は、毎日の様にクラブなどに集まっていたわけですが、それだけ一緒にいられるというのは居心地がよいわけですよね。
それぞれの役柄がどんな関係性なのか、このワークショップで探っていった気がします。
ミキの存在によってみんなの個性が浮かび上がる、そんな立ち位置を探したいと思っていました。

イケイケの実態を調査すべくインスタグラマーをチェック

――ミキや仲間たちは、毎日集まって刹那的に行動しますが、門脇さんにはこのグループはどう映りましたか?
クラブで騒ぐ、みたいな経験が私はなくて。なので、撮影前にクラブに初めて行ったり、チワワやミキのようにフォロワーをたくさん持っている方のインスタをのぞかせてもらったりしましたが、彼女たちのようなグループは意外とリアルなのかもしれないと思いました。
ミキたちみたいにクラブでお金を奪って逃げたりはしないと思いますが(笑)。
男女のグループにいつの間にか違う人が来て、知らない間に誰かがいなくなっている。ニックネームで呼び合っているから本名は知らない。SNSでつながっているけど、電話番号は知らない。
そんな関係は全然あるんだろうな、と思いましたね。

――この作品は「青春の爆発と終わり」を描いているそうですが、門脇さん自身、「もう大人にならなきゃ」と感じたことはありますか?
大人になっていくことに対しての焦りや悲しさみたいなものはなかったですね。
子供の頃からしっかりせざるおえない環境に遭遇する事が多く、むしろ「早く大人にならなきゃ」という気持ちになる事が多かったように思います。
ミキたちは若くて将来が不確か、でも時間だけはあり余っている、だから爆発するしかない。決してクラブで騒いでいる姿が青春ではなく、その時期にしかない輝きがきっとあって、そこに、観ている私達は青春を感じるのだと思います。
だとしたら、青春は若い頃だけじゃなくて本人次第でいくつになってもずっと送れるのかもしれないですよね。

――この映画『チワワちゃん』のどういうところに、読者は共感してくれると思いますか?
ミキたちのグループはきっとクラスにいたら目立つ存在。そんな華やかに見える彼らだからこそより痛切に感じる孤独や葛藤、青春を爆発させている彼らだからこそ、よりリアルに感じる青春の終わり。
原作は90年代の話ですが、現代の私達でも、そして彼らの様な人達を遠くから見ていた方も共感出来る青春映画だと思います。

Beauty Queston!

2019年の目標は?

朝ごはんをしっかり食べる
気づいたら朝ごはんを食べる習慣がなくなっていたので、今年は3食きちんと食べるようにしたいですね!

好きなファッションは?

ワンピースです!
ワンピースが多いですね。ラクな格好が好きです。衣装に合わせて、今日はメイクもしっかりめにしていただきました。

※本記事はアッププラス2月号より一部抜粋して掲載しています
ワンピース¥170,000 / FACETASM

かどわきむぎ
1992年8月10日生まれ。東京都出身。
2011年女優デビュー。
近年の出演作品は『ここは退屈迎えに来て』『止められるか、俺たちを』(2018 年)、初夏には『さよならくちびる』の公開が控えている。

 

チワワちゃん

©2019「チワワちゃん」製作委員会

1/18 より、全国にて公開
https://chiwawa-movie.jp/
【監督・脚本】二宮 健
【出演】門脇 麦、成田 凌、寛一郎、玉城ティナ、吉田志織、村上虹郎、仲万美、古川琴音、篠原悠伸、上遠野太洸、松本妃代、松本穂香、成河、栗山千明(友情出演)、浅野忠信ほか

グループの人気者で「チワワ」と呼ばれた女性がバラバラ遺体となって発見された。
かつて毎日のようにつるんでいた仲間たちがチワワをしのんで集まるが、ミキ( 門脇麦) ら仲間たちは、実は彼女の本名すら知らなかった。
岡崎京子による同名コミックを、27歳の二宮健監督が描いた青春群像劇。

 

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